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白い布に光と影で描く石膏彫刻のような立体模様。初心者でも挑戦できるキルトとトラプント基本ガイド

白い布に光と影で描く石膏彫刻のような立体模様。初心者でも挑戦できるキルトとトラプント基本ガイド 伝統の技
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真っ白な布に光と影で浮かび上がる美しい模様

まるで石膏彫刻のような立体感を持つ「トラプント」は、キルトの中でも上級者向けのイメージが強い技法ですが、基本的な道具と縫い方さえマスターすれば、初心者でも挑戦することができます。

今回はキルトとトラプントについてと基本的な道具についてご紹介します。

白い布に秘めた無限の可能性を、あなたの手で引き出してみませんか?

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白いキャンバスに光と影で描く物語を秘めた立体模様。キルトとトラプントの魅力

白いキャンバスに光と影で描く物語を秘めた立体模様。キルトとトラプントの魅力

薄暗い屋根裏部屋の窓辺。
埃まみれの古い木箱からそっと取り出されたのは繊細な模様が刻まれたキルト。それは、祖母が若い頃、愛情を込めて一針一針縫い上げた宝物だった。

キルトは単なる保温具ではありません

一枚の布に込められた物語、家族の歴史、そして時代を紡ぐ温もり。それは、まるでキャンバスに描かれた、かけがえのない芸術作品です。

キルトの歴史は古く紀元前3000年の古代エジプトまで遡る。当時は保温や防護服として重宝され十字軍の遠征と共にヨーロッパ各地に広まり、やがて上流階級の女性たちの間で芸術性が高まり様々な技法が生み出されました。

中世ヨーロッパでは、鎧の下に着て安全性を高めたり、17世紀にはファッショナブルなドレスの一部として取り入れられたり。キルトは時代と共に姿を変え、人々の暮らしに深く根付いていきました。

母娘たちが集まって作り上げたキルトには、結婚式や歴史的な出来事などの特別な物語が刻まれています。それは単なる手芸品ではなく家族の絆や時代を繋ぐ大切な宝物なのです。

ハワイアンキルト

ハワイアンキルトは19世紀に宣教師と共に伝わった技術をもとに発展し、当初は寝具として使われていたカパに代わるものとして作られましたが次第に壁掛けや装飾品としての人気を博すようになりました。

ハワイアンキルトの特徴は大胆な色使いと幾何学模様。そして4枚または8枚に折りたたんで切り抜いた左右対称の大きなモチーフをアップリケするスタイルです。

トラプント

トラプントは、キルトの裏側から糸や綿を詰めて模様を立体的に表現する技法。まるで石膏彫刻のような美しいレリーフ効果を生み出す。ライン状に糸を差し入れるコーディングと、面に糸や綿を詰めるスタッフィングを使い分けることで、奥行きのある作品に仕上がります。

キルティングは奥深い魅力を持つ手芸です。初心者でも基本的な道具と縫い方さえマスターすれば自分だけの作品を作れます。

大切なのは時間と愛情をかけて丁寧に縫うこと。そうすることで世界に一つだけの、かけがえのない作品が生まれることでしょう。

さあ、あなたも布と針糸を手に、自分だけの物語をキルトに込めてみてはいかが?

鷲沢玲子さんの本

アシェット「鷲沢玲子のはじめてのホワイトキルト」で必要な道具紹介

アシェット「鷲沢玲子のはじめてのホワイトキルト」で必要な道具紹介

アシェット「鷲沢玲子のはじめてのホワイトキルト」では必要最低限の道具が揃いますので、必要に応じて追加していきましょう。

基本の道具

定規

線を引くとき、寸法を測るときに使います。
キルトラインの平行線が引きやすい方眼の入ったものを選びましょう。

消せるボールペン

図案を描いたり縫い線などを布に引くときに使います。
フリクションはドライヤーやアイロンの熱で後から消すことが出来ますがインクが透明になっただけなので利用の際は自己責任で。

チャコペン

図案を描いたり縫い線などを布に引くときに使います。
水で消えるペンが便利です。

水で消えるペンが便利

ピンセット

小さなスペースに毛糸や綿を詰めるときに使います。

しつけ糸

本縫いの前にしつけをするときに使います。

キルト糸

キルティングやパイピングに使います。

糸通し(スレダー)

針に糸を通すときにあると便利です。

まち針

しつけの前に布を固定するときに使います。
これから準備するなら頭が小さく耐熱性のものを。

ピンクッション

まち針や縫い針を休めておくときに使う針山。

毛糸

トラプントに使います。
アクリル混紡の洗濯可能な並太タイプの毛糸。

キルト芯

キルトにふっくらとした厚みを持たせる役割。
便利な道具

フープ

キルティングをするときに布を張って針ですくいやすくします。

指ぬき

針の頭を指ぬきにあてて推しながら縫い素進めることで手縫いの効率があがります。

シンブル

キルティングをするときに針の頭や針先から指を保護尾する道具。

ラバーシンブル

針を掴んで引き上げるときにすべりにくくなります。

針は用途に応じた種類があります

  • キルト針:キルティングやパッチワークをするときに使います
  • ピーシング針:ピースワークやパイピングをするときに使います
  • しつけ針:しつけをするときに使います。
  • とじ針:小さいスペースにトラプントをするときに使います
  • トラプント針:トラプント専用の長い針

その他

  • アイロン
  • アイロン台
  • ハサミ
  • 裁ちばさみ
  • 糸切りバサミ
手芸に便利なミニアイロン

上記はあくまで基本的な道具です。作品によっては、この他にも必要な道具がある場合があります。

アシェット「鷲沢玲子のはじめてのホワイトキルト」の基本の縫い方

アシェット「鷲沢玲子のはじめてのホワイトキルト」の基本の縫い方

糸の長さ

  • 糸の長さは70〜80cmが基本です。
  • 指定がない場合は、1本取りで使用します。
  • 従来の裁縫では50〜60cmが一般的ですが、キルトは3枚の布を重ねて縫うため、長めの糸の方が便利です。
  • 実際に試してみると、70〜80cmの方が一つのモチーフを縫うのに適していると感じました。私は長いと縫いにくいため裁縫の基本60cm程度の糸で。

玉結び・玉留め

  • 刺しゅうと同じように玉結びや玉留めをせずにキルティングをする方もいます。
  • 玉結び・玉留めをする場合は、以下の方法で行います。
    • 玉結び:糸の先端を人差し指と親指で輪っかを作り、糸端を輪っかの中に通して引っ張る。
    • 玉留め:糸端を針穴に通し、布の裏側に出して玉結びを作る。

しつけ

  • 表布、キルト芯、裏布の3枚を重ねてしつけをかけるときに使います。

ぐし縫い

  • 運針とも呼ばれます。
  • キルティングの他、ピースワークを縫い合わせたり、ギャザーを寄せるときにも使用します。
  • 縫い目は等間隔になるように注意しましょう。

半返し縫い

  • 中に綿を入れる作品などで、布同士を丈夫に縫い合わせたいときに使用します。

返し縫い

  • 1目ずつ針を返す縫い方です。
  • キルティングやパイピングの始めに返し縫いをし、終わりの数目も返し縫いします。

たてまつり

  • 縫い目が布端に対して直角になるように縫うまつり方です。
  • キルトの縁を始末するときなどに使用します。

巻きかがり

  • キルティング下布を袋状にするために脇を縫うときなどに使います。

その他

  • シンブルを使うと、針を刺しやすく、指を保護することができます。
  • キルトフープを使うと、布を張ってキルティングがしやすくなります。

これらの基本的な縫い方をマスターすれば、あなたも素敵なキルトを作ることができます。ぜひチャレンジしてみてください!

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